4月になりましたね。
桜もちらほら咲いてきたところですが、今週は雨が続くということで散ってしまわないか、散る前に満開の桜を拝めるか、ちょっと心配です。
学校や多くの職場では新年度を迎え、ワクワク・そわそわしている方も多いのではないでしょうか。
ただ3月決算の法人オーナーの方にとっては、「あ、そろそろ申告の準備しなきゃ…」 と少し気が重くなってくる時期でもあるかもしれません。
法人税の申告期限は、決算日から原則2ヶ月以内。
3月31日が決算日であれば、5月31日が申告・納付の期限です。
「まだ2ヶ月ある」と思ったら大間違い。
連休(ゴールデンウィーク)が5月にあり、あっという間に5月末が見えてくるのがこの3月決算の怖さです。
今回は、3月決算法人だけでなく、どの月の決算でも使える、申告準備でのポイントを、チェックリスト形式でまとめました。
顧問税理士がいる方も、「自社側でやっておくこと」の確認に使っていただければ幸いです。
まず確認:申告の期限と対象税目
3月31日決算の法人が申告・納付しなければならない主な税目と期限は以下の通りです。
| 税目 | 申告・納付期限 |
|---|---|
| 法人税 | 5月31日 |
| 法人住民税(都道府県・市区町村) | 同上 |
| 法人事業税 | 同上 |
| 消費税(課税事業者の場合) | 同上 |
申告期限の延長制度
一定の要件を満たす法人は、税務署へ届け出をすることで、申告期限を1ヶ月延長(6月30日まで)できます。
- 会計監査人(監査法人・公認会計士)の監査を受けている法人
- 定款等で定められた理由により株主総会が決算日から3ヶ月以内に開催される法人 など
該当するかどうかわからない場合は、担当税理士にご確認ください。
申告前にチェックしておきたい7つのポイント
✅ 棚卸資産の計上漏れはないか
3月31日時点で手元にある商品・製品・原材料は、正確に棚卸計上されていますか?
- 倉庫や事務所に実際に残っている在庫の数量・金額は合っているか
- 期末に仕入れたが検収前の商品の扱いはどうか(所有権移転のタイミングに注意)
- 委託販売している商品の棚卸計上はできているか
棚卸金額のズレは、売上原価に直結します。少し手間でも、現物と帳簿の突合を行っておくことをおすすめします。
✅ 固定資産の除却・売却の処理漏れはないか
今期、古くなって廃棄した機械や備品、売却した車両などはありますか?
帳簿上まだ資産として残っているのに、実物はもうない——という状態が、放置されていませんか?
- 廃棄・除却した固定資産の帳簿価額を「固定資産除却損」として処理したか
- 売却した固定資産は売却損益の計算が済んでいるか
- 少額減価償却資産(30万円未満)の特例を適用した資産の集計は済んでいるか
参照:中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁
✅ 役員報酬の変更は届け出・議事録で根拠が整っているか
役員報酬を今期中に変更した場合、定期同額給与の要件を満たしているかを確認してください。
要件を外れると、変更部分が損金不算入(税務上の経費にならない)となります。
- 株主総会・取締役会の議事録は作成・保存されているか
- 事業年度開始から3ヶ月以内の改定だったか(原則)
また、事前確定届出給与(ボーナス相当)を支給した場合は、届出通りの金額・時期で支払いが行われているかも確認が必要です。
✅ 交際費の集計・区分は正確か
交際費は、中小法人(資本金1億円以下)であれば800万円まで損金算入できます。
- 飲食費の参加者・金額・目的の記録(メモ・領収書への記載)は残っているか
- 社内行事の飲食費と取引先接待費が混在していないか
✅ 消費税の課税区分は正しく入力されているか
消費税の申告も同じ期限です。帳簿の消費税区分が正確でないと、納付額に誤りが生じます。
- 非課税売上(家賃・保険料・土地売却など)が正しく「非課税」になっているか
- 輸出売上がある場合、「免税」区分になっているか
- 社員の立替経費に消費税が含まれているかどうかの確認はできているか
会計ソフト(freeeやMoneyForwardなど)を使っている場合でも、登録時の区分誤りが積み重なっていることがあります。一度、科目ごとに消費税区分の一覧を出力して確認するのがおすすめです。
✅ 未払費用・前払費用の計上は済んでいるか
3月31日時点で「費用は発生しているが、支払いはまだ」という取引はどの会社でもあるものです。
- 3月分の社会保険料(翌月納付)の未払計上
- 賃貸借契約の4月分家賃が3月引落しされている場合の前払計上
- 年払いの保険料・リース料の前払費用への振替
発生主義で処理するのが原則ですので、現金の動きとは別に期末の費用・収益を確認してください。
✅ 税務署・自治体への各種届出に漏れはないか
申告書の作成と並行して、忘れがちな届出がないかも確認してください。
| 届出の種類 | 提出先 | 備考 |
|---|---|---|
| 消費税課税事業者選択(不)適用届 | 税務署 | 課税期間開始前に提出が原則 |
| 消費税簡易課税制度選択(不)適用届 | 税務署 | 同上 |
| 給与支払事務所等の開設・廃止の届出 | 税務署 | 従業員の入退社があった場合 |
参照:D1-4 消費税課税事業者選択届出手続|国税庁
参照:D1-22 消費税簡易課税制度選択届出手続|国税庁
課税期間開始前に提出が原則なので、ブログ掲載時点では2026年3月決算の法人については手遅れです。。。
2027年3月期においても前期(2026年3月期)の課税方式を継続し、翌期(2028年3月期)からの適用を行いましょう!
まとめ:5月末に向けて、今から動き出しましょう
3月決算の申告期限(5月31日)まで、ゴールデンウィークをはさむと実質の作業日数はあまり多くありません。
今回ご紹介したチェックポイントを、4月中に一通り確認しておくと(消費税は期中に確認が必要でしたが)、税理士とのやり取りもスムーズになります。
「うちのケースはどう処理すればいいの?」
「帳簿の数字が合っているか心配…」
そんな方は、ぜひ一度、ご相談ください。
