9月1日は防災の日。台風シーズンと重なり、災害への備えを見直す時期です。あわせて経理・総務の実務では、社会保険の定時決定(算定基礎届)の結果を反映する月であり、月の後半には祝日が続くため取引先の休業状況にも注意が必要な月でもあります。
この記事では、埼玉県川口市の会計事務所として、2026年9月(令和8年9月)の税務・労務スケジュールと、今月あわせて押さえておきたい4つの実務ポイントを整理しました。川口市・戸田市・蕨市で法人経営や個人事業を営まれている方の、月次チェックにお使いください。
2026年9月(令和8年9月)の税務・労務カレンダー
まずは日付順の一覧です。赤字の行が、申告・納付の期限にあたる重要日です。
| 期日 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 9月1日(火) | 防災の日/2026年度 業務改善助成金の交付申請 受付開始 | 中小企業・小規模事業者 |
| 9月10日(木) | ・源泉所得税・復興特別所得税の納付(8月分)※納期の特例の承認を受けている場合を除く ・特別徴収した住民税の納付(8月徴収分) ・給与所得者異動届出書の提出(8月中の退職者等) | 給与等の支払者 |
| 9月24日(木) | 税務署の窓口で配付される「所得税徴収高計算書(納付書)」が新様式に(A4サイズの単票式へ) | 納付書で源泉所得税を納付する事業者 |
| 9月30日(水) | ・7月決算法人の確定申告〈法人税・地方法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税〉 ・1月決算法人の中間申告〈法人税・地方法人税・法人事業税・法人住民税〉 ・1月・4月・10月決算法人の消費税中間申告(年3回の中間申告を行う場合) ・消費税の年11回中間申告(7月分に対応するもの) ・健康保険料・厚生年金保険料の納付(8月分) | 法人/社会保険適用事業所 |
※中間申告は、前事業年度の法人税額が20万円超(消費税は前課税期間の消費税額が48万円超)などの要件に該当する場合に必要となります。該当有無は事業年度ごとに変わりますのでご確認ください。
今月押さえておきたい4つのポイント
1. 9月24日から、源泉所得税の「納付書」の様式が変わります
令和8年9月24日から、税務署の窓口で配付される「所得税徴収高計算書(納付書)」の様式が変更される予定です。給与・退職金・報酬等の源泉所得税を納付書で納めている事業者は、事前に変更点を確認しておきましょう。
主な変更点
- 「納期等の区分」欄等に元号の記載欄が追加
- 「徴収義務者」欄に郵便番号・フリガナの記載欄が追加
- 「整理番号(8桁)」が「お問い合わせ番号(13桁)」に変更
- 二次元コードの追加(※読み取っての納付はできません)
- 税務署窓口配付分はA4サイズの単票式へ(年末調整時期に税務署から送付されるものは、引き続き複写式の予定)
単票式を使うときの留意点
- 切り離さずに金融機関等へ提出すること
- 変更後の様式には「防衛特別所得税」の記載があるものの、令和8年12月以前に生じた所得には防衛特別所得税が課されないため、その場合は「源泉所得税及び復興特別所得税」として取り扱うこと
- 複写式と違い、同じ記載事項を何度も書く必要がある(印字できるツールが国税庁ホームページに掲載予定)
なお、現在お使いの「整理番号」欄がある従来様式の納付書は、令和10年9月頃まで使用できる予定です。手元に残っているものは、そのまま使い切って問題ありません。
この機会に、e-Tax(ダイレクト納付)やクレジットカード納付などのキャッシュレス納付へ切り替えるのも一案です。納付書の記載や金融機関の窓口に行く手間がなくなり、納付漏れの防止にもつながります。
2. 10月1日から、インボイスの経過措置が「8割控除」→「7割控除」に
免税事業者などインボイス発行事業者以外の者(以下、免税事業者等)からの課税仕入れについては、経過措置として仕入税額相当額の一定割合を控除できます。この控除できる割合が、令和8年10月1日から8割→7割へ引き下げられます。
| 期間 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 令和5年10月1日~令和8年9月30日 | 仕入税額相当額の80% |
| 令和8年10月1日~令和10年9月30日 | 仕入税額相当額の70% |
| 令和10年10月1日~令和12年9月30日 | 仕入税額相当額の50% |
| 令和12年10月1日~令和13年9月30日 | 仕入税額相当額の30% |
| 令和13年10月1日以後 | 控除不可 |
実務上の注意点
- 割合の判定は「課税仕入れの時期」で行います。原則として、資産の譲受けは引渡しのあった日、役務の提供は約した役務の全部が完了した日です。9月末~10月初の取引は判定を誤りやすいので要注意です。
- 短期前払費用として支払額全額をその支払日の属する事業年度(年)の費用としている場合は、消費税の取扱いも原則と異なり、支払った時点の割合を適用できます。
- 経過措置の適用には、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等の保存と、経過措置の適用を受ける旨(「7割控除」等)を記載した帳簿の保存が必要です。会計ソフトの税区分設定を10月から切り替える準備をしておきましょう。
- 令和8年10月1日以後に開始する課税期間からは、一の免税事業者等からの課税仕入れの税込合計額のうち、その事業年度(年)で1億円を超える部分は経過措置の対象外となります(改正前は10億円)。免税事業者等への支払が大きい事業者は要確認です。
3. 社会保険料は9月分から新しい標準報酬月額へ
7月に提出した算定基礎届に基づき、9月分の社会保険料から新たに定時決定された標準報酬月額が適用されます。新しい標準報酬月額に基づく保険料の納付は、9月分(10月末納付分)からです。
従業員の給与から控除するタイミング(翌月控除か当月控除か)は会社ごとに取扱いが異なります。翌月控除であれば10月支給給与から、当月控除であれば9月支給給与からの変更となるのが一般的です。給与計算ソフトの設定変更もれ・誤りが起きやすい時期ですので、9月・10月の給与明細は必ず検算しましょう。
4. 最低賃金の改定と「業務改善助成金」
2026年度の地域別最低賃金が改定されます。埼玉県の最低賃金は、2026年10月1日から時間額1,196円(55円引上げ)となります。川口市・戸田市・蕨市を含む県内すべての事業場が対象で、パート・アルバイト・派遣労働者にも適用されます。
時給者はもちろん、月給者も時間換算すると最低賃金を下回っていないかの確認が必要です(月給÷1か月平均所定労働時間で判定します)。
あわせて、賃金引上げと設備投資等を支援する業務改善助成金の2026年度分の申請受付が9月1日から始まっています。
業務改善助成金のポイント
- 助成率:引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4
- 助成上限額:50円コース 30万~130万円/70円コース 40万~300万円/90円コース 90万~600万円(事業場規模30人未満の事業者はさらに上限が優遇されます)
- 申請締切:「その事業場に適用される地域別最低賃金の発効日の前日」または「2026年11月30日」のいずれか早い日(埼玉県の場合は2026年9月30日が締切となります)
- 順序に注意:賃金引上げは申請後に、設備投資等は交付決定後に行う必要があります。先に実施してしまうと助成対象外です。
参考リンク(一次情報)
※本記事は2026年9月時点の情報に基づいて作成しています。制度の詳細や個別の適用可否については、必ず一次情報のご確認、または当事務所までご相談ください。
9月・10月の税務スケジュールでお困りではありませんか?
川口市・戸田市・蕨市を中心に、法人・個人事業主の税務顧問、freee/マネーフォワードの導入支援を行っています。
インボイス経過措置の切り替えや納付書の様式変更への対応も、まずはお気軽にご相談ください。
